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2008/12/16

ひき逃げ

交通事故を起こした者が、道路交通法第72条第1項前段に定められた救護義務に違反して現場から離れる行為。



救護義務違反の罰則は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですが、事故の主原因である運転者が救護義務に違反(ひき逃げ)した場合の罰則は「10年以下の懲役または100万円以下の罰金」となります。

そして、通常は自動車運転過失致死傷罪も同時に問われ「併合罪」となります。
ですから、最も重い方の刑の1.5倍である「15年の懲役」が科される可能性があります。

危険運転致死傷罪との関係では、危険運転致死傷罪の方が刑が重いので、そちらの刑の1.5倍である「懲役30年」が最長となります。
道路交通法
第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。[以下略]

第117条
車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第72条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反したときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
刑法
(懲役)
第12条 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、1月以上20年以下とする。
2 懲役は、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる。

(禁錮)
第13条 禁錮は、無期及び有期とし、有期禁錮は、1月以上20年以下とする。
2 禁錮は、刑事施設に拘置する。

(有期の懲役及び禁錮の加減の限度)
第14条 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮を減軽して有期の懲役又は禁錮とする場合においては、その長期を30年とする。
2 有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては30年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては1月未満に下げることができる。

(併合罪)
第45条 確定裁判を経ていない2個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

(有期の懲役及び禁錮の加重)
第47条 併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。